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2020-04-10

花祭りはお祝い事 利他の話

すっかり春になり、桜が見頃ですね。
お寺の隣の公園は桜が満開です。その横ではイチョウの木が少し緑の芽を付け始めました。

4月8日はお釈迦様の誕生日でした。
「花祭り」として親しまれ、お釈迦様の像に甘茶をかけます。
甘茶は、「アマチャ」というアジサイの一種の葉を使って作ったお茶だそうです。

甘茶をかけるのは、お釈迦様が生まれたときに、八大龍王と呼ばれる者達が雨を降らせ(ありがたいものなので甘露の雨と言います)、その水でお釈迦様の体を洗ったという因縁に基づいています。

お釈迦様の誕生をお祝いしているわけですね。
機会あれば是非、甘茶をかけてお祝いしましょう。ハッピーバースデー。

姫路市では名古山霊苑にて、姫路市仏教会が花祭りを開いています。

100以上の僧侶が集い、法要を勤める様はなかなか壮観です。

しかし今年は、コロナウィルス拡大防止として、密集を避けるという観点から中止となりました。

非常に残念ですが、この騒ぎが収まることを祈っております。


先日、非常事態宣言が兵庫県でも出された事もあり、翌日には正明寺もお参りに行く予定の方々に連絡をとりました。

どうすべきか、という判断に迷っている方が多かったです。

「人はいつもの家族だけだし、どうしてもしたい」という方は、お参りする事になりました。

多くの方は、今回は見送る、という事になりました。

いずれにせよ、お寺の方から声をかけて良かったです。
不安に思ったり、親戚が帰ってこれないから延期したいと思っていても、本当にそれが良いことか分からないから言い出せない、そんな方もいらっしゃいます。
難しいですね…

電話をしていると、子供も帰って来てくれないし、寂しいと仰る方もいました。
心が痛かったです。

会いに来ないのも優しさなんですよ、と言いましたが…

コロナウィルスの脅威はもちろんですが、心のケアが必要とされていると実感します。

こんな時だからこそ、本当はお釈迦様をお祝いしたりしたいものです。
誰かを祝ったり、誰かの為を思って行動する。これを「利他」といいます。

自身に余裕がないと中々、他人の事を考えて行動するのは難しくなります。それは各自一度は経験されたことで、納得していただけるのではないでしょうか?

しかし逆に、他人の事を思って行動できれば、自分の心のゆとりにつながってくる、というわけです。

こんな時だからこそ、「利他」、誰かの為に、という考えが大事かもしれません。

なかなか外には出られませんから、私は身近な人の為に行動していきたいと思います。

もし身近な人がいなくても、祈りという形で、人々が良い状況になるよう、行動していきましょう。

私も利他を心がけ行動し、そしてお祈りいたします。

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