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2020-04-21

「おさがり」が繋ぐ縁−おてらおやつクラブ−

先日、お寺にお供えしていたお菓子のおさがりを、「おてらおやつクラブ」を通して、ひとり親家庭を支援する団体にお送りいたしました。

正明寺としては初の試みとなります。

「おてらおやつクラブ」とは

「おてらおやつクラブ」は、奈良のお寺の僧侶・松島靖朗氏が発足、代表を務める国内の貧困問題に取り組むNPO法人です。

2018年には「2018年度グッドデザイン大賞」としてその活動の構想を評価されています。

子供食堂などの団体と、寺院とをマッチングした後、お寺で仏様にお供えしたお菓子等を「おさがり」として送るという形で子供たちを支援します。

公式ホームページ
https://otera-oyatsu.club

お寺の仏前へのお供えですから、当然檀信徒の方々に頂いたものが多くなります。
日頃、お供えから下げたものは、お寺のために使わせていただいております。法要の参拝者、来客の方などへお出ししたり、配ったりします。

しかし有難い事に、お寺で使う以上にお供えを沢山いただく場合もあります。そんな時に、この「おてらおやつクラブ」の取り組みを知りました。参加する事で、普段満足に食べることのできない家庭にいる子どもたちに食べ物を送る事ができます。

貧困で苦しむ家庭がある一方で、食品のロスも問題となる昨今です。

お寺としては「おてらおやつクラブ」の活動で、既存のシステムを大きく変えることなく社会問題に取り組むことができ、さらに、檀信徒の方々から頂いた「施し」を、より大きな「施しの輪」にして広めることができます。

仏様を縁とした社会貢献の繋がりの輪です。素敵だと思います。

「おさがり」が繋ぐ縁

仏様にお供えされたものはその時点で「仏様の物」です。

しかし仏様というのは自分と他人を分け隔てない、区別しない存在です。よって「仏様の物」は「皆の物」です。

お供えものは誰の為に使われても良いもの、という事です。

お供えを下さったお檀家様と、支援先の方は互いに顔も知らない者同士ですが、仏様を通して縁ができました。(お供えを送った支援団体様からは、丁寧なお礼のメールをいただきました。)

仏教というのは自分の心を豊かに穏やかにしていくための教えです。

「自分の行いが誰かの為になっている」という実感は心を豊かにします。
それが仏教でいう「施し」です。

皆様から頂いたお供えは、仏様にお供えされ、お寺を支えるだけでなく、さらに多くの人々の為になります。

今後とも継続的な支援を続けていきたいと思いますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。


おてらおやつクラブ代表、松島住職に聞く「当事者意識から生まれた、覚悟が切り拓く人生」

「おてらおやつクラブ」について代表の松島住職が語っておられる記事です。
「おてらおやつクラブ」の由来、仏教の役割、僧侶の生き方などを語っておられ、とてもおもしろい内容でした。

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